その他 心的外傷後ストレス障害:その理解と向き合い方
心の外傷後ストレス障害、いわゆる心的外傷後ストレス障害(PTSD)とは、強い精神的な衝撃を受けた経験、すなわち心的外傷が原因で発症する心の病気です。命の危険を感じるような出来事、激しい恐怖やどうしようもない無力感を味わうような経験の後、その記憶が突然よみがえってきたり、怖い夢にうなされたり、必要以上に警戒するなどの症状が現れます。 例えば、事故や災害、犯罪に巻き込まれたり、虐待を受けたり、戦争を経験したりするといった出来事が、心的外傷となることがあります。これらの症状は、心的外傷から自分を守るための、本来は自然な反応です。しかし、日常生活に問題が生じるほど症状が強い場合、心的外傷後ストレス障害と診断されることがあります。具体的な症状としては、心的外傷に関する記憶が繰り返し頭に浮かび、悪夢にうなされるといった症状や、心的外傷と似た状況を避けようとしたり、感情が麻痺したりするといった症状、常に緊張状態にあり、些細な刺激にも過剰に反応するといった症状などが見られます。心的外傷後ストレス障害は、特別な人だけがなる病気ではありません。誰もが経験する可能性のある病気です。心が強い、弱いといったこととは関係ありません。ですから、心的外傷後ストレス障害についての正しい知識を持ち、適切な対応方法を知っておくことが大切です。早期に適切な治療を受ければ、症状の改善が見込めます。一人で悩まず、家族や友人、専門機関などに相談することが重要です。周りの人も、温かく見守り、支えていくことが必要です。
