法律 盗聴と電波:法律の網目を潜り抜ける
盗み聞きというと、壁に穴を開けて盗み聞き器を仕掛けるといった昔ながらの姿を思い浮かべる方もいるかもしれません。しかし、今の時代の盗み聞きは電波を使ったものがほとんどです。電波法で決められているように、300万メガヘルツより低い電磁波は電波と呼ばれ、この電波を悪いことに使うことで、遠くから会話や情報を盗み聞くことができてしまいます。盗み聞き器は小さく、高性能になってきており、普通の人には見つけるのが難しいほど巧みに隠されることもあります。そのため、私たちは普段の生活の中で、気づかないうちに盗み聞きの被害にあっているかもしれないのです。特に、携帯電話やパソコンなどの電子機器は、電波を送ったり受けたりするため、盗み聞きの的になりやすいといえます。また、無線LANも盗み聞きの危険性があります。無線LANは、家庭やオフィスなどでインターネットに接続するために広く使われていますが、セキュリティ設定が不十分だと、第三者に簡単に侵入され、通信内容を盗み見られる可能性があります。パスワードを複雑なものにしたり、暗号化方式を最新の規格に更新したりするなど、適切な設定を行うことが重要です。さらに、近年普及が進んでいるIoT機器も標的となる可能性があります。IoT機器とは、インターネットに接続できる家電製品やセンサーなどのことで、これらが盗聴器として悪用されるケースも出てきています。例えば、スマートスピーカーや防犯カメラなどが不正にアクセスされ、音声や映像が盗み見られる危険性があります。機器のセキュリティ対策はもちろんのこと、使用する際には十分な注意が必要です。このように、私たちは電波を使った見えない脅威に常にさらされていることを知っておく必要があります。怪しい電波を感知する機器を使ったり、電子機器の使用に注意したり、セキュリティソフトを導入するなど、自分でできる対策をしっかりと行うことが大切です。また、盗み聞きは犯罪行為であるため、被害にあった場合はすぐに警察に相談しましょう。日頃から防犯意識を高め、安全な暮らしを守ることが重要です。
