
盗聴器のVOX機能:その利点と欠点
「音声起動送信」とは、周りの音を聞き取って、自動的に電波の送受信を切り替える仕組みのことです。よく「ボックス機能」とも呼ばれます。この機能は、こっそり会話を録音する機器だけでなく、無線で話す機械など、様々な機器に使われています。音声起動送信の最も大きな利点は、静かな時には電波を出さないという点です。そのため、電池の持ちがよくなり、機器を長く使えるようになります。また、電波を出すのが断続的になるので、盗聴発見器で見つけにくくなる効果も期待できます。
しかし、周りの音に反応して電波を出すため、思わぬ時に電波が出てしまう可能性も頭に入れておく必要があります。大事な話をする直前に、周りのちょっとした物音で電波が出てしまい、会話の一部が漏れてしまう危険性もあります。例えば、会議室の外で誰かが咳をしただけで、会議室内の盗聴器が作動してしまうかもしれません。また、風の音や紙をめくる音など、普段は気にしないような小さな音でも、電波の送信が始まってしまう可能性があります。特に、感度が高い機器の場合、かすかな音にも反応してしまうため、思わぬ情報漏えいに繋がる恐れがあります。
このように、音声起動送信には便利な面もありますが、同時にリスクも存在します。音声起動送信を使う場合は、メリットとデメリットをよく理解した上で、適切な使い方をすることが大切です。機器の感度設定を調整したり、重要な会話をする前には周囲の音に気を配ったりするなど、情報漏えいを防ぐための対策をしっかりと行う必要があります。そうすることで、音声起動送信の便利な機能を安全に活用することができるでしょう。