法律 不受理申出:届け出を拒否する権利
不受理申出とは、戸籍の届け出に関して、本人によるものではない不正な届け出を防ぐための制度です。戸籍法という法律に基づいて設けられており、自分に関する一部の届け出が、自分の知らないうちに勝手に出されることを防ぐことができます。具体的には、婚姻届、離婚届、認知届といった、私たちの身分に関わる重要な届け出が対象となります。これらの届け出は、本来であれば当事者双方の合意に基づいて行われるべきものです。しかし、当事者の一方だけが勝手に届け出を出してしまうと、もう一方の当事者は大きな不利益を被る可能性があります。例えば、正当な理由もなく一方的に離婚届が出されたとします。すると、婚姻関係は解消となり、財産を分けたり、慰謝料を請求したりする際に、不利な立場に追い込まれるかもしれません。また、身に覚えのない認知届が出された場合、親子関係がないにもかかわらず、法的な親子関係が生じてしまう可能性も考えられます。このような不当な届け出から自分自身を守るために、不受理申出という制度が存在します。これは、前もって市区町村役場に申し出を行うことで、自分に関する特定の届け出を受理しないようにするというものです。不受理申出をしておけば、たとえ誰かが勝手に届け出を出そうとしても、役場はその届け出を受け付けません。不受理申出は、自分の人格や権利、そして生活を守るための大切な手段です。離婚届や認知届など、自分に関する重要な届け出について不安がある場合は、市区町村役場に相談し、不受理申出を検討することをお勧めします。届け出の種類や手続き方法など、詳しいことは役場の担当者に尋ねてみてください。
