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法律

確定判決:争いの終わり

裁判で下された判決が、もはや変更されることなく、効力を持ち始める状態のことを、判決確定と言います。 簡単に言うと、判決に異議を申し立てる手段がすべてなくなり、判決の内容が最終的に決まったということです。これは、民事裁判でも刑事裁判でも同じように重要な考え方です。判決が確定して初めて、判決に書かれた権利や義務、あるいは刑罰が実際に効力を持ち、執行されることになります。 判決確定は、いくつかの段階を経て実現します。まず、裁判で判決が言い渡されます。この時点では、まだ判決は確定していません。判決に不服がある場合、控訴や上告といった不服申し立ての手続きをとることができます。控訴は、第一審判決に不服がある場合に高等裁判所に対して行う手続きです。控訴審では、事実認定や法律の適用について改めて審理が行われます。控訴審でも判決に不服がある場合は、最高裁判所へ上告することができます。ただし、上告できる場合は法律で厳しく定められています。主に、憲法違反や判例違反といった重大な法令違反がある場合に限られます。 もし、控訴や上告といった不服申し立ての期間内に何の手続きも行われなかった場合、あるいは最高裁判所で判決が下された場合は、その時点で判決が確定します。確定した判決は、当事者間の法的関係を最終的に決定づけるものとなります。例えば、損害賠償請求訴訟で判決が確定すれば、被告は原告に対して判決で定められた金額を支払う義務が生じます。また、刑事裁判で有罪判決が確定すれば、被告人は判決で定められた刑罰を受けることになります。このように、判決確定は、裁判制度の中で重要な役割を果たしており、法的な安定性を確保するために不可欠なものと言えるでしょう。