生活扶助義務

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離婚

離婚と扶養義務:知っておくべき法的知識

家族を支える義務、すなわち扶養義務には、大きく分けて二種類あります。一つは「生活保持義務」と呼ばれるものです。これは、自分と同じ水準の生活を扶養する相手に保障する義務のことです。簡単に言うと、自分がどのような生活水準であっても、それを扶養家族にも等しく保障しなければならない、ということです。例えば、もし自分が厳しい生活を送っている場合でも、持っている食料や住居などを分け与え、扶養家族と苦楽を共にする必要があります。この義務は、非常に強い結びつきのある近しい間柄、具体的には夫婦や親子、そして直系血族の間で発生します。自分と生活水準が同じ、つまり苦しい時は共に苦しみ、豊かな時は共に豊かになる、という強い連帯性を重視した考え方と言えるでしょう。もう一つは「生活扶助義務」です。こちらは、自分の生活水準を下げることなく、扶養する相手の最低限度の生活を保障する義務です。衣食住といった基本的な生活が送れるよう、金銭や物資を提供する義務と言えるでしょう。ただし、自分の生活に影響が出るほどの負担は必要ありません。兄弟姉妹や、その他の親族の間では、この「生活扶助義務」が適用されます。生活保持義務と比べると、扶養する側の負担は軽くなります。しかし、扶養を受ける側にとっては、最低限度の生活しか保障されないため、生活水準は扶養する側と異なることになります。このように、扶養義務には二種類があり、誰に対してどのような義務が生じるのかは、法律によって明確に定められています。扶養に関する問題を考える際には、これらの義務の違いをしっかりと理解しておくことが非常に重要です。扶養義務を正しく理解することで、家族間の問題を未然に防ぎ、円満な関係を築くための一助となるでしょう。