無過失責任

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法律

運行供用者の責任:自動車事故と法律

車を自分のために走らせている人のことを、法律では「運行供用者」と言います。少し堅苦しい言葉ですが、要はその車がどのように使われるかを決める権利を持ち、その使い方から何らかの得をしている人のことです。たとえば、自分の車で会社へ行く人、仕事の車で荷物を届けている人、借りた車で遊びに行く人、これら全ての人が運行供用者に当てはまります。大切なのは、その車が誰のものかは関係ないということです。例えば、知人から車を借りて観光に出かけた場合を考えてみましょう。車を貸した知人は、車を貸しているだけで、観光の楽しさという得は受けていません。ですから、この場合、運転をしている本人が運行供用者になります。また、会社名義の車を社員が仕事で使っている場合を考えてみましょう。一見、社員が運行供用者のように思えますが、社員は会社の指示で車を走らせており、利益を得ているのは会社です。このようなケースでは、社員ではなく会社が運行供用者となることもあります。少し複雑に感じるかもしれませんが、誰が車の運行を決めていて、誰がその運行から利益を得ているのかに着目すれば、誰が運行供用者なのかを判断することができます。誰の物かではなく、誰がどのように使い、誰が得をするのかが重要なのです。