法律 契約の基礎:有償と無償の違い
約束事は、人と人との間で交わされるものです。それが口頭でのやりとりでも、きちんと書かれた書類でも、当事者間で何かを決めた時点で、それぞれに果たすべきことと、受け取れることが生まれます。この約束事を契約と言い、大きく分けて有償契約と無償契約の二つに分けられます。有償契約とは、一方の者が相手に何かを提供する代わりに、相手からも何かを受け取る契約です。例えば、お店で買い物をするとき、私たちは商品という物を受け取る代わりに、お店にお金という対価を支払います。このように、お互いに何かを与え、何かを受け取る関係が有償契約の特徴です。よくある例としては、売買契約の他に、賃貸借契約や雇用契約などがあります。家を借りる代わりに家賃を支払ったり、仕事をする代わりに給料を受け取ったりするのも、この有償契約にあたります。一方、無償契約は、見返りを求めない一方的な好意に基づく契約です。例えば、友人にプレゼントを贈る場合、私たちは相手に何かを贈りますが、相手から何かを受け取ることは期待しません。このように、一方的に何かを与えるだけの関係が無償契約の特徴です。贈与契約以外では、使用貸借契約が代表的な例として挙げられます。友人に自転車を貸す場合、私たちは自転車を使わせてあげますが、それに対して何かを受け取ることは通常ありません。私たちが日常の中で交わす様々な約束事は、ほとんどがこの二つの種類のどちらかに当てはまります。自分がどのような契約を結んでいるのかをきちんと理解することは、後々のトラブルを防ぎ、円滑な人間関係を築く上で非常に大切です。契約の種類を意識することで、それぞれの契約にふさわしい行動をとることができるようになります。
