清算的財産分与

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離婚

離婚と財産分与:知っておくべき基礎知識

夫婦が別れを決めた時、結婚生活中に二人で築き上げてきた財産を分け合うことを「財産分与」といいます。これは、結婚生活が共同生活であり、家事や子育て、仕事などを通して、夫婦が協力して財産を形成してきたという考え方に基づいています。 財産分与の対象となるのは、結婚してから離婚するまでの間に夫婦で築いた財産です。例えば、家や車、預貯金、株、保険などが該当します。重要なのは、財産の所有名義がどちらか一方の配偶者であっても、あるいは収入の差があっても、関係なく対象となるということです。たとえ妻が専業主婦で夫のみが収入を得ていたとしても、夫の収入で購入した家や車は、夫婦共有の財産と見なされ、財産分与の対象となります。これは、家庭を守り、子育てをすることも、財産形成への貢献と同様に評価されるべきだという考え方に基づいています。 財産分与は、通常、財産の半分ずつを分けることを基本とします。ただし、夫婦の話し合いで、分ける割合を変えることもできます。例えば、妻が子育てに専念し、夫が仕事に集中することで財産が築かれた場合、妻の貢献を考慮して、妻の取り分を多くするといったことも可能です。また、財産の種類によっては、単純に半分に分けられないものもあります。例えば、家が夫婦共有財産の場合、物理的に家を半分に分けることはできません。このような場合は、家の評価額を算出し、その金額を基に、相当する金額を現金で支払う、あるいは家の所有権を一方の配偶者に移転する代わりに、別の財産を譲り渡すといった方法がとられます。 財産分与は、単にお金を分けるだけではありません。離婚後の生活再建を支える重要な役割も担っています。離婚という大きな変化の中で、経済的な安定を確保することは、新しい人生を始める上で欠かせません。財産分与を通して、今後の生活設計を立て、安心して新たな一歩を踏み出すことができるのです。そのためにも、財産分与についてしっかりと理解し、自分にとって最適な方法を選択することが大切です。