法律 相続の基礎:被相続人とは?
相続とは、亡くなった方の財産や権利、負債などを、生きている家族などが引き継ぐ手続きのことです。この手続きの中心となる、既に亡くなっている方のことを「被相続人」といいます。被相続人は、相続という物語の主人公とも言える重要な存在です。被相続人がこの世を去ったことで、相続という物語が始まります。被相続人が生前に所有していた土地や建物、預貯金、株券といった財産、さらには特許権などの権利、そして借金などの負債は、全て相続の対象となります。これらの財産、権利、負債は、まとめて「相続財産」と呼ばれ、被相続人から相続人へと引き継がれます。被相続人が存在しなければ、そもそも相続は発生しません。例えば、行方不明の方が長期間見つからない場合、その方が生きているのか亡くなっているのかが不明なため、相続手続きを進めることができません。このような場合には、家庭裁判所に失踪宣告の申し立てを行い、法律上、死亡したとみなされることで、初めて相続手続きが可能となります。相続手続きにおいては、まず被相続人が誰なのかを明確にすることが非常に重要です。被相続人が誰なのかがはっきりすることで、相続人が誰なのか、相続財産には何があるのかを特定することができます。戸籍謄本などを用いて被相続人の出生から死亡までの記録を丁寧に確認し、被相続人を正確に特定することで、スムーズな相続手続きを進めることができるでしょう。また、遺言書が存在する場合は、その内容に従って相続手続きを進めることになりますので、被相続人の意思を尊重するためにも、遺言書の有無を確認することも大切です。
