検察官送致

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法律

送致と捜査の結びつき:検察への橋渡し

事件を解決するためには、様々な段階を踏まなければなりません。まず、警察が事件の知らせを受け、捜査を開始します。そして、集めた証拠や関係者の証言などを書類にまとめ、事件の全体像を明らかにする作業を行います。この一連の捜査活動が終わると、事件は次の段階へと進みます。それが「送致」です。送致とは、警察がまとめた捜査資料一式を検察庁に送る手続きのことを指します。これは、いわば警察から検察へのバトンタッチのようなものです。警察が積み重ねてきた捜査の成果物を、次の走者である検察に引き渡す、重要な役割を担っています。普段、ニュースなどで「送検」という言葉が使われているのを耳にすることがあるかもしれませんが、これは送致と同じ意味です。警察には、犯罪を捜査した場合、必ず送致を行わなければならないという義務があります。これは法律で定められたことであり、どんな小さな事件でも、原則として送致の手続きが必要になります。送致によって事件は警察の手から離れ、検察官の手に渡ります。検察官は、警察から送られてきた資料を詳しく調べ、事件の真相をさらに深く解明していきます。そして、裁判にかけるだけの証拠が揃っているかどうかを判断します。つまり、送致は捜査の終わりを告げると同時に、検察による新たな段階の始まりを意味する、事件解決における重要な手続きなのです。送致された事件が全て裁判になるわけではありません。検察官が証拠不十分と判断すれば、不起訴となり裁判は行われません。逆に、起訴と判断されれば裁判が始まり、事件の真相が法廷で問われることになります。