有線式

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盗聴機械

有線盗聴器:探偵の視点から

有線盗聴器とは、文字通り電線を実際に繋いで使う盗聴器のことです。盗聴対象の場所に置かれたマイクで音を拾い、その音を電線を通じて離れた場所にあるイヤホンやスピーカーに伝える仕組みです。マイクとイヤホンが電線で直接繋がっているのが特徴で、まるで糸電話のような構造と言えるでしょう。近年は技術の進歩により、小型で高性能な無線式の盗聴器が主流となっています。しかし、有線盗聴器は古くからある盗聴方法の一つであり、特定の状況下では今でも使われている可能性があります。 有線盗聴器の仕組みは単純ですが、盗聴発見器では見つけるのが難しいという利点があります。無線式盗聴器は電波を発するため、発見器で探知できますが、有線盗聴器は電波を出さないため発見が困難です。また、電源を必要としないため、電池切れの心配もありません。設置場所も、電源の確保を気にする必要がないため、無線式に比べて自由度が高いと言えるでしょう。 建物の構造を熟知している人物が、壁や床下などに電線を巧妙に隠して設置すれば、発見は非常に困難になります。例えば、電話線や電源ケーブルに紛れ込ませて設置するケースも考えられます。また、外部からの侵入の形跡がない場合、盗聴を疑うこと自体が難しく、発見が遅れる可能性も高まります。 探偵業においては、このような有線盗聴器の特徴を理解しておくことが重要です。依頼者からの相談内容や現場の状況から、有線盗聴器の可能性を考慮し、綿密な調査を行う必要があります。建物の構造や配線経路などを注意深く観察することで、隠された有線盗聴器を発見できる可能性が高まります。有線盗聴器は原始的な方法ではありますが、その単純さ故に見過ごされがちです。だからこそ、探偵は常に知識をアップデートし、あらゆる可能性を想定した調査を行う必要があると言えるでしょう。