法律 答弁書の書き方:基礎知識
裁判では、訴えを起こした側(原告)が訴状を裁判所に提出することで、手続きが始まります。この訴状には、原告の言い分や要求が記されています。これに対し、訴えられた側(被告)は、自分の言い分を述べる機会が保障されています。この反論をまとめた正式な書面が答弁書です。答弁書は、被告にとって、裁判の中で自分の立場を明らかにし、原告の主張に反論するための大切な手段です。裁判官は、原告の訴状と被告の答弁書を主な材料として、両者の主張の正当性を吟味し、最終的に判決を下します。ですから、答弁書の内容は、判決に大きな影響を与えることがあります。適切な答弁書を作成することは、被告にとって自分の権利を守る上で極めて重要です。もし答弁書を提出しないと、どうなるでしょうか? 民事訴訟の場合、原告の主張が真実として認められ、被告にとって不利な判決が出される可能性が高くなります。これは、被告が裁判に参加する意思がない、もしくは原告の主張を認めたものと解釈されるためです。たとえ原告の主張が全て正しいと思っても、必ず答弁書を提出し、自分の考えをはっきりと伝えるべきです。答弁書には、原告の個々の主張に対する具体的な反論を記載する必要があります。例えば、原告の主張を認める場合は「認めます」、争う場合は「争います」と明記し、争う場合にはその理由を具体的に説明しなければなりません。また、原告の主張を一部認める場合、「一部認めます」とし、認める部分と争う部分を明確に区別する必要があります。このように、答弁書は、被告が自分の立場を裁判所に伝えるための重要な役割を果たしており、適切な答弁書を作成することで、公正な裁判の実現につながるのです。
