離婚 離婚と氏:旧姓に戻るか、今の氏を続けるか
結婚生活を終え、離婚届を提出すると、婚姻中に変更した氏は、もとの氏に戻ります。これは、民法で定められた原則であり、特に届け出などの手続きは不要です。自動的に元の氏に戻るため、離婚届の提出と同時に、以前の氏を名乗ることができます。例えば、結婚前に「山田花子」さんという名前で、結婚後、配偶者の氏である「鈴木」を名乗って「鈴木花子」さんになったとしましょう。離婚届が受理されると、自動的に元の氏である「山田」に戻り、「山田花子」さんとして生活することになります。これは、婚姻によって氏を改めたとしても、離婚という形で婚姻関係が解消されると、元の状態に戻るという法律に基づいた考え方によるものです。元の氏に戻ることで、様々な手続きが円滑に進みます。例えば、住民票や運転免許証、健康保険証などの身分証明書は、氏名の変更に伴い更新が必要となる場合がありますが、元の氏に戻ることで、以前使用していた氏名と同じになるため、変更手続きが簡略化されます。また、銀行口座やクレジットカード、公共料金の契約なども、氏名が一致することで、手続き上の混乱を減らすことができます。戸籍や身分証明書などの管理も容易になります。結婚前の氏に戻すことで、過去の書類や記録との整合性が保たれ、氏名の変更履歴を辿る手間が省けます。また、家族や親族との関係においても、以前と同じ氏名を使用することで、混乱を招くことなく、円滑なコミュニケーションを図ることができます。ただし、離婚後3ヶ月以内であれば、婚姻中の氏を継続して使用することも可能です。これは、仕事や社会生活において、氏を変更することで生じる不利益を避けるための措置です。例えば、離婚によって仕事上の信用を失ったり、社会的な地位が低下することを防ぐことができます。婚姻中の氏を継続して使用する場合には、家庭裁判所への申し立てが必要です。
