婚姻を継続し難い重大な事由

記事数:(3)

離婚

離婚と無為徒食:その法的影響

「無為徒食」とは、何もしないでぶらぶらと日々を過ごすことを言います。文字通り、働かずに、努力もせずに時間を浪費する生き方のことです。ただ怠けているだけでなく、何かを生み出す活動に全く関わろうとしない状態を指します。 現代社会において、仕事に就いていないからといって、すぐに無為徒食だと決めつけることはできません。病気で療養中の人や、家族の介護をしている人、子育てに専念している人、資格を取るために勉強している人など、仕事をしていないのには、様々な理由が考えられます。大切なのは、働ける状態であるにもかかわらず、働く気がなく、自ら進んで怠惰な生活を送っているかどうかです。 仕事がない状態と、無為徒食の状態は全く違います。「仕事がない」というのは、今の状態を表しているだけです。一方、「無為徒食」は、その人の生き方や、働こうという気持ちがあるかないかといった問題を含んでいます。この違いをきちんと理解することが、離婚の話し合いの中で、無為徒食が法的にどのような影響を与えるかを正しく理解するためにとても重要です。 例えば、離婚の際に、一方の配偶者が無為徒食の状態であった場合、財産分与や養育費の金額に影響が出る可能性があります。働ける能力があるにもかかわらず、怠惰な生活を送り、家計に貢献していないと判断されれば、財産分与で不利になることもありますし、養育費の支払いを求められても、支払う能力がないとみなされる可能性もあります。逆に、病気や怪我など、正当な理由で働けない場合は、無為徒食とはみなされません。このように、無為徒食かどうかの判断は、様々な要素を考慮して慎重に行われる必要があります。
離婚

性的不能と離婚の関係

性的不能とは、望まないにも関わらず、男女間の営みができない状態のことです。これは一時的なものとは異なり、ある程度の期間続く状態を指します。ただ疲れている、もしくは気分が乗らないといった一時的な理由で営みができない場合は、性的不能とは呼びません。性的不能には様々な形があり、肉体的な問題と精神的な問題の両方が関わっている可能性があります。 肉体的な問題としては、男性の場合、男性器が硬くならない、もしくは硬さを維持できないといった勃起不全が代表的です。女性の場合、性交痛など、身体的な苦痛のために営みが困難になる場合があります。これらの肉体的な問題は、加齢や病気、怪我などが原因で起こることがあります。たとえば、糖尿病や高血圧などの生活習慣病、神経系の病気、また、一部の薬の副作用として現れることもあります。 精神的な問題も、性的不能の大きな要因となります。不安や抑うつ、ストレス、過去のトラウマなどが、営みに対する意欲を削ぎ、身体的な反応にも影響を及ぼすことがあります。パートナーとの関係が悪化している場合も、精神的な問題から性的不能に陥る可能性があります。 性的不能かどうかを判断するには、専門家の診察が必要です。医師は、問診や身体検査、場合によっては血液検査などを通して、原因を特定し、適切な治療法を提案します。治療法は、原因によって異なり、薬物療法、心理療法、生活習慣の改善指導など、様々な方法があります。性的不能は、本人だけでなく、パートナーとの関係にも大きな影響を与える可能性があります。そのため、一人で悩まず、早めに専門家に相談することが大切です。適切な治療を受けることで、多くの人が改善し、充実した生活を送ることができるようになります。
離婚

性交拒否と離婚

夫婦の間で、一方が性的な営みを拒み続けることを、性交拒否といいます。これは、一時的な拒絶ではなく、ある程度の期間にわたって拒否が続くことを意味します。例えば、疲れているから断るといった一度だけの拒絶や、体の具合が悪いことによる一時的な拒絶は、通常、性交拒否とは考えられません。 夫婦として共に暮らす中で、性的な営みは大切な役割を担っています。互いの気持ちを通わせ、愛情を示す大切な手段の一つです。そのため、一方だけが性的な営みを拒み続けると、夫婦の信頼関係が崩れ、愛情が冷めてしまうこともあります。そして、最終的には夫婦関係が破綻することにもなりかねません。 性交拒否には、様々な理由が考えられます。体の不調や心の問題、夫婦間の不仲や愛情の不足などが、性交拒否につながることも少なくありません。また、過去のトラウマや過去の性被害なども性交の拒否につながる可能性があります。 性交拒否が離婚の原因となるかどうかは、拒否の回数や期間、理由、夫婦間の話し合いの状況など、様々な要素を総合的に見て判断する必要があります。単に拒否があったという事実だけでなく、なぜ拒否するのか、夫婦間でどのようなやりとりがあったのか、歩み寄ろうとする姿勢があったのかといった点を考慮することが重要です。拒否する側にも、拒否される側にも、それぞれの言い分や事情があるはずです。それらを丁寧に紐解き、夫婦関係の全体像を把握することが不可欠です。