
保佐制度:判断力が不十分な方を守る仕組み
保佐制度とは、こころの病気や体の不自由などによって、普段の生活を送る上で必要な判断をする力が十分でない方を守るためのしくみです。物事を理解したり、考えたり、判断したりする力がとても弱いため、お金の管理や契約といった法律に関係することを一人で行うと、損をしてしまうかもしれません。このような方を法律で守り、支えることを目的としています。このような方を『被保佐人』と呼びます。
被保佐人の方は、自分一人だけで法律に関係することを行うのが難しい場合があります。そのため、『保佐人』と呼ばれる手伝い役の方が付きます。保佐人は、被保佐人の方の気持ちを大切にしながら、必要な助言をしたり、同意を与えたりすることで、被保佐人の方が適切な判断をできるように手助けをします。例えば、被保佐人の方が大きな買い物をしたいと思った時、保佐人はその買い物が本当に必要かどうか、被保佐人の方にとって不利益にならないかを一緒に考え、助言します。また、契約の内容を確認したり、必要に応じて代わりに手続きを行うこともあります。たとえば、被保佐人の方が家を借りる契約をするとき、保佐人は契約内容が被保佐人の方にとって不利なものでないかを確認し、必要であれば代わりに契約手続きを行います。
この保佐制度は、被保佐人の方の権利や利益を守り、安心して暮らせるようにするための大切な役割を担っています。被保佐人の方だけでなく、家族や周りの方々にとっても、安心して社会生活を送るための支えとなっています。保佐人になる人は、家庭裁判所によって選ばれます。多くの場合、家族や親族が選ばれますが、弁護士や司法書士などの専門家が選ばれることもあります。保佐人は、被保佐人の生活を支える重要な役割を担うため、責任感と誠実さをもって職務に当たることが求められます。そして、常に被保佐人の最善の利益を考え、行動しなければなりません。