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法律

黙秘権:知っておくべき権利

黙秘権とは、刑事手続きの中で、自分を守るための大切な権利です。捜査機関からの質問に対して、答えることを強制されない権利のことを指します。捜査の最初の段階から、裁判が終わるまで、いつでもこの権利を使うことができます。 具体的には、警察官や検察官などからの質問に、全く答えないという選択もできますし、一部だけ答えて、残りは黙っているという選択もできます。どのような形であれ、無理やり発言させられることは許されません。 例えば、逮捕された直後、まだ状況が整理できていない段階で、落ち着いて考える時間を確保するために黙秘権を行使することは有効な手段です。また、弁護士と相談してから、どのように対応するかを決めるまでの間、黙秘を続けることもできます。弁護士に相談し、弁護方針を決めた後で、改めて供述することも可能です。 黙秘権は、憲法で保障されている基本的人権です。ですから、黙秘したからといって、罪が重くなったり、有罪になりやすくなったりすることはありません。黙秘したことを理由に、不利な扱いを受けることも法律で禁じられています。裁判官や陪審員は、被告人が黙秘したという事実だけで、有罪と判断することはできません。 黙秘権は、個人が自由に発言する権利の裏返しでもあります。発言の自由には、発言しない自由も含まれているのです。この権利を正しく理解し、行使することで、不当な扱いから身を守り、適正な手続きの下で、自分の権利を守ることができるのです。