共犯

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法律

告訴不可分の原則とは何か?

告訴とは、犯罪の被害者またはその法定代理人が、捜査機関に対して犯罪事実を申告し、犯人の処罰を求めることです。この告訴には、一部分だけを対象とすることはできないという大切な決まりがあります。これを告訴不可分の原則といいます。たとえば、泥棒と乱暴が同時に行われた場合を考えてみましょう。被害者が泥棒についてのみ告訴したとしても、乱暴についても同様に告訴したとみなされます。これは、犯罪行為はそれぞれが密接に関連していることが多く、一部分だけを切り離して罰を与えることは、事件の真相を明らかにしたり、公平な裁判を行うことを難しくするからです。この原則は、いくつかの例外を除いて、ほとんど全ての犯罪に当てはまります。告訴を取り下げる場合も同様で、罪の一部だけを取り下げることはできません。罪全体を取り下げることになります。この原則は、被害者の気持ちとは異なる結果になる場合もあるでしょう。たとえば、軽い罪で告訴した結果、思いのほか重い罪でも処罰される可能性が出てくるからです。しかし、事件全体を正しく理解し、公平な裁判を行うためには、この原則は必要不可欠です。告訴の一部だけを対象にすることが認められてしまうと、事実を歪めて伝えたり、犯人を不当に庇うといったことができてしまうかもしれません。このように、告訴不可分の原則は、被害者の意向を制限する面もありますが、正しい裁判の実現という大きな目的のために重要な役割を果たしているのです。