公序良俗違反

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法律

不法原因給付と返還請求

不法原因給付とは、簡単に言うと、違法な行為や社会の秩序を乱す行為を理由として行われた支払いや財産の譲渡のことです。たとえば、賭け事で負けて支払ったお金や、法律で禁じられている薬物の売買で支払われたお金などが、これに当たります。これらの行為は、社会のルールや道徳に反するため、法律によって守られることはありません。そのため、不法原因給付には、一見損をしたように見える人が、支払ったお金を取り戻すのが難しいという特徴があります。例えば、AさんがBさんと賭け麻雀をして負けてしまい、Bさんに10万円支払ったとします。Aさんは損をしたように思えますが、この賭け麻雀が違法であれば、Aさんは支払った10万円を取り戻すことはできません。これは、違法行為に加担した人を守るよりも、社会全体の秩序を守ることを法律が優先しているからです。また、CさんがDさんから違法な薬物を購入し、代金として5万円を支払ったとします。この場合も、Cさんは違法行為に加担しているため、支払った5万円を取り戻すことは非常に困難です。このように、不法原因給付は、お金を支払った人が損をしたように見えても、その原因となった行為が違法であれば、お金を取り戻すことが難しいという点に注意が必要です。これは、違法行為を抑制し、社会の秩序を維持するために重要なルールとなっています。ただし、個々のケースによって判断が異なる場合もあるため、専門家への相談が必要となることもあります。