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法律

保釈制度:逃亡と保証金のジレンマ

保釈とは、捕まった人を裁判の前に一時的に外に出す制度です。まだ罪が確定していない人を閉じ込めておくのは、人が本来持つ自由を不当に奪うことになりかねません。そこで、保釈という仕組みが生まれました。これは、無罪と決まるまでは、出来るだけ自由でいられるようにという考え方によるものです。保釈中は、家に帰ったり、仕事に行ったりすることができます。ただし、いつも保釈が認められるわけではありません。罪が重い場合や、逃げたり証拠を隠したりする心配がある場合は、保釈されません。保釈を認めるかどうかは、裁判官が決めます。裁判官は、事件の内容、証拠の確かさ、過去の行い、逃げる可能性などをよく考えて判断します。保釈されるためには、保釈金を納める必要があります。これは、裁判にきちんと来ることを約束するためのものです。もし、裁判に来なければ、保釈金は国のお金になります。保釈金は、事件の重大さなどに応じて金額が決まります。裁判にきちんと出廷し、裁判が終われば、保釈金は戻ってきます。保釈中に、裁判所からの指示に従わなかったり、逃げたりすれば、保釈金は戻ってきません。さらに、再び捕まることになります。つまり、保釈金は、裁判にきちんと来るように促すためのものと言えるでしょう。保釈は、自由と秩序のバランスを取るための大切な制度です。罪を犯したかもしれない人を社会から隔離する必要性と、無罪が確定するまでは自由を尊重する必要性。この二つの間で、難しい判断が求められます。保釈制度は、この難しさに答えを出すための、長く続く試行錯誤の成果なのです。