離婚とセックスレスの関係

離婚とセックスレスの関係

調査や法律を知りたい

先生、離婚の原因にセックスレスがあるってどういうことですか?ただ単に仲が悪いだけじゃダメなんですか?

調査・法律研究家

いい質問ですね。確かに、仲が悪いだけでは離婚原因にはなりません。法律では『夫婦関係が破綻』している必要があります。セックスレスは、その破綻の理由の一つになり得るということです。

調査や法律を知りたい

でも、お互いに納得してセックスレスになっている場合は、離婚原因にならないんですよね?

調査・法律研究家

その通りです。お互いが納得しているなら、夫婦関係が破綻しているとは言えません。セックスレスが離婚原因になるのは、どちらか一方が拒否していて、それが関係の悪化につながっている場合です。

離婚における「セックスレス」とは。

『夫婦の別離における、体の関係がないことについて』(一般的に、特別な事情がないのに月に一度以上の体の関係がない状態を、体の関係がない状態と言います。体の関係がなくなってしまった理由によっては、体の関係がないという事実が、別れる理由にあたる場合があります。例えば、夫婦の一方が体の関係を求めたにもかかわらず、もう一方がそれを続けて拒む場合、別れる理由にあたる可能性があります。夫婦が合意の上で体の関係がない状態になっている場合は、体の関係がないことを理由に別れることはできないでしょう。)について

セックスレスの定義

セックスレスの定義

夫婦間の営みの頻度が低いことを示す言葉として、「セックスレス」という言葉が使われますが、その定義は単純ではありません。一般的には、特に理由がないにもかかわらず、ひと月に一度以上の営みがない状態を指すとされています。しかし、回数だけで判断できるものではなく、夫婦それぞれの性に対する考え方や価値観、互いの愛情表現、日ごろの意思疎通などを総合的に考慮する必要があります

たとえば、夫婦ともに営みに対する関心が低く、抱き合ったり、手をつないだりといったスキンシップや、言葉で感謝や愛情を伝え合うなど、他の方法で愛情を表現し合っているのであれば、たとえ営みの頻度が少なくても問題がないと言えるでしょう。お互いが納得しているのであれば、必ずしも営みの回数を増やす必要はありません。

一方で、配偶者の一方が営みを強く望んでいるにもかかわらず、もう一方が拒否し続けているような場合は、たとえ月に一度以上の営みがあったとしても、セックスレスが問題となる可能性があります。このような場合、拒否されている側には不満や不安が募り、夫婦関係に亀裂が生じることもあります。営みの有無や回数よりも、夫婦間で性生活に対する認識にずれがあるかどうか、そして、そのずれによって不満や葛藤が生じているかどうかが重要です。

セックスレスの状態そのものよりも、それが夫婦関係にどのような影響を与えているのかを注意深く見極める必要があるでしょう。夫婦が互いの気持ちや考えを尊重し、心から満足できる関係を築くためには、性生活についても率直に話し合い、理解し合うことが大切です。

セックスレスの定義 明確な定義はないが、一般的には特に理由なく月に一度以上の営みがない状態を指す。しかし、回数だけでなく、夫婦の性に対する考え方や価値観、愛情表現、意思疎通などを総合的に考慮する必要がある。
セックスレスが問題にならない場合 夫婦ともに営みに対する関心が低く、スキンシップや言葉で愛情を表現し合っている場合。お互いが納得しているのであれば、営みの回数を増やす必要はない。
セックスレスが問題となる場合 配偶者の一方が営みを強く望んでいるにもかかわらず、もう一方が拒否し続けている場合。拒否されている側は不満や不安が募り、夫婦関係に亀裂が生じる可能性がある。
重要な点 営みの有無や回数よりも、夫婦間で性生活に対する認識にずれがあり、そのずれによって不満や葛藤が生じているかどうかが重要。セックスレスの状態そのものよりも、それが夫婦関係にどのような影響を与えているのかを見極める必要がある。
解決策 夫婦が互いの気持ちや考えを尊重し、心から満足できる関係を築くためには、性生活についても率直に話し合い、理解し合うことが大切。

離婚原因となるセックスレス

離婚原因となるセックスレス

夫婦間の営みの欠如、いわゆるセックスレスは、それ自体が離婚の理由として認められることは稀です。しかし、それが他の問題と複雑に絡み合い、夫婦関係を破綻させる一因となることは少なくありません。

まず、セックスレスが離婚の理由として認められるには、それが一方的な拒絶に基づくものでなければなりません。例えば、夫または妻が、正当な理由もなく、繰り返し行為を拒み、話し合いや改善の努力を全くしようとしない場合、それは結婚生活を継続することが困難な重大な事由と判断される可能性があります。特に、拒む側に非がある、例えば不貞行為や家庭内暴力などが関係している場合は、セックスレスもそれらの問題と合わせて考慮され、離婚が認められる可能性が高まります。

逆に、夫婦が共に納得し、営みのない生活を送っている場合には、セックスレスを理由に離婚することはできません。例えば、健康上の理由や、加齢に伴う変化などで、お互いが納得している場合は問題ありません。また、セックスレスの状態であっても、日頃から愛情表現が豊かで、良好なコミュニケーションが取れている夫婦であれば、離婚には繋がりにくいでしょう。重要なのは、セックスレスが夫婦関係にどのような影響を与えているか、そしてそれが修復不可能なほど深刻な問題となっているかどうかです。

セックスレスは、表面的な問題ではなく、夫婦間の愛情や信頼関係の欠如、コミュニケーション不足といった、より根深い問題の表れである場合が多いです。そのため、セックスレスに悩んでいる夫婦は、まずその根本原因を探り、お互いに正直な気持ちを話し合うことが大切です。専門家の助言を求めることも有効な手段です。セックスレスが離婚に繋がるかどうかは、単に営みの有無だけでなく、夫婦間のコミュニケーション、信頼関係、そして問題解決への姿勢など、様々な要素が総合的に判断されます。

離婚原因となるセックスレス

証拠の重要性

証拠の重要性

夫婦関係の解消を望む際、性的な結びつきがないことを理由とするならば、それが一方的に拒まれている事実、そしてそのことが夫婦の仲が壊れた原因であることを明らかにする必要があります。そのためには、十分な証拠を集めることが欠かせません。

まず、性的な行為を拒まれた日時や状況、その時の会話の内容などを克明に記録することが大切です。個人的な日記やメモ、あるいは電子メールのやり取りなどが証拠となる可能性があります。拒否された日付や時間、どのような言葉で拒否されたのか、そしてそれに対してどのように返答したのかなど、詳細な記録を残しておくことで、主張の信憑性を高めることができます。

性的な結びつきがないことで精神的な苦痛を受けている場合は、医師の診断書も有力な証拠となります。医師に相談し、現在の状況や症状を詳しく説明することで、診断書を作成してもらうことができます。この診断書は、性的な結びつきがない状態が精神的な苦痛につながっていることを客観的に示す証拠となるため、非常に重要です。

夫婦間の会話や状況を録音することも考えられますが、相手の同意を得ずに録音した場合、法に触れる可能性があるため、注意が必要です。相手の同意なく録音した音声は、証拠として認められないばかりか、逆に不利な状況に陥る可能性もあります。録音を行う際は、必ず相手の同意を得ることが重要です。また、探偵などの専門家に相談することも有効な手段です。専門家は法的な知識に基づいて証拠収集を行い、適切なアドバイスを提供してくれます。

証拠を集める際には、常に合法性と倫理性を意識し、慎重に行動することが重要です。証拠が不十分な場合、性的な結びつきがないことを理由とした夫婦関係の解消は認められない可能性があります。確実な証拠を集めるためにも、専門家の助言を得ながら慎重に進めることをお勧めします。

証拠の種類 内容 注意点
記録 性行為を拒まれた日時、状況、会話内容などを記録した日記、メモ、メールなど 詳細な記録を残すことで信憑性を高める
医師の診断書 性的な結びつきがないことによる精神的苦痛を証明する診断書 医師に相談し、現状や症状を詳しく説明する
録音 夫婦間の会話や状況の録音 相手の同意がない場合は違法となる可能性があり、証拠として認められない場合もある。専門家への相談が推奨される。

専門家への相談

専門家への相談

夫婦生活がうまくいかず、体の関係がない状態が続いていると、深い悩みを抱え、一人で解決策を見つけられないことがあります。そのような時は、問題を一人で抱え込まず、専門家の助言を求めることが大切です。様々な専門家がいますが、特に法律の専門家である弁護士と心の専門家である相談員は、それぞれ異なる視点から親身になって相談に乗ってくれます。

弁護士は、夫婦間の問題が法律に触れるかどうかを判断し、具体的な解決策を示してくれます。例えば、離婚を考えている場合、離婚の方法や財産分与、子供の養育費などについて、法律に基づいた説明を受け、必要な手続きについて助言をもらえます。また、離婚の話し合いがうまく進まない場合には、弁護士があなたの代理人として相手方と交渉したり、裁判手続きを進めてくれたりもします。

相談員は、体の関係がなくなってしまった原因を探り、夫婦間の意思疎通を改善するための助言をしてくれます。セックスレスは、心身に大きな負担をかけるため、相談員は、心のケアも行います。気持ちを打ち明けることで、心が軽くなり、前向きな気持ちを取り戻すことができます。

問題の種類や状況に応じて、弁護士と相談員どちらに相談するのが適切か、あるいは両方に相談する必要があるかを判断します。一人で悩まずに、専門家の知識や経験を借りることで、問題解決の糸口を見つけ、より良い未来を描くことができるでしょう。

専門家 専門分野 役割 相談内容例
弁護士 法律 法的助言、交渉、代理 離婚方法、財産分与、養育費、相手方との交渉、裁判手続き
相談員 心理 原因分析、意思疎通改善、心のケア セックスレスの原因、夫婦関係改善、心の負担軽減、前向きな気持ちの醸成

まとめ

まとめ

夫婦生活において、肉体関係の欠如、いわゆるセックスレスは、それ自体が離婚の理由として認められるわけではありません。法律上、離婚が認められるには、民法770条に定められた五つの要件のいずれかを満たす必要があるからです。セックスレスは、この五つの要件に直接該当するものではありません。

しかし、セックスレスが原因で夫婦関係が破綻した場合、それが離婚原因となる可能性はあります。例えば、一方の配偶者が理由なく性交渉を拒否し続け、それがもう一方の配偶者にとって耐え難い苦痛となり、夫婦関係が修復不可能なまでに悪化した場合、「婚姻を継続し難い重大な事由」として離婚が認められる可能性があります。

セックスレスの問題で悩んでいる場合、まずは冷静に状況を整理し、なぜセックスレスになっているのか、その原因を探ることが重要です。その上で、配偶者と話し合い、解決策を探ることが大切です。話し合いが難しい場合は、信頼できる友人や家族に相談したり、専門機関のカウンセリングを受けることも有効です。

もし、離婚を考えている場合は、セックスレスの状態や、それが夫婦関係に与えた影響を示す証拠を集めることが重要になります。日記や、配偶者とのメールのやり取りなどが証拠となる可能性があります。ただし、盗聴や盗撮といった違法な手段で証拠を集めることは避けなければなりません。違法に収集した証拠は、裁判で証拠として採用されないばかりか、刑事罰に問われる可能性もありますので注意が必要です。

セックスレスは非常に繊細な問題であり、プライバシーへの配慮も欠かせません。問題解決のためには、専門家である弁護士やカウンセラーに相談し、適切な助言を受けることが解決への近道となるでしょう。自分だけで抱え込まず、信頼できる人に相談することで、より良い解決策を見つけることができるはずです。

まとめ