離婚と「婚姻を継続し難い重大な事由」

調査や法律を知りたい
先生、「婚姻を継続し難い重大な事由」って、何ですか?難しくてよくわからないです。

調査・法律研究家
簡単に言うと、夫婦関係が壊れてしまって、もう一緒に暮らしていくのが難しいっていう理由のことだよ。法律で決められた離婚の理由の1つだね。

調査や法律を知りたい
壊れてしまうっていうのは、例えばどんな場合ですか?

調査・法律研究家
例えば、性格が合わなくて長い間別々に暮らしていたり、暴力を振るわれたり、お酒を飲みすぎたり、宗教に熱中しすぎたりする場合などが考えられるね。もちろん、これ以外にも色々な場合があるよ。
離婚における「婚姻を継続し難い重大な事由」とは。
「結婚をやめる時の『結婚生活を続けるのが難しい重大な理由』について説明します。これは、法律で決められた五つの離婚理由の一つで、簡単に言うと結婚生活が完全に壊れてしまっている状態のことです。結婚生活が壊れていると言えるには、夫婦どちらもが結婚生活を続ける気がないこと、そして周りの人から見ても二人の生活が元に戻る見込みがないことが必要です。どんな場合が『結婚生活を続けるのが難しい重大な理由』になるのかというと、色々な例があります。例えば、性格が合わないことが原因で長い間別々に暮らしている場合、暴力を振るったりひどいことをしたりする仕合があった場合、度を越した宗教活動をしていた場合、真面目に働かない場合、お酒に依存している場合、男女の関係を持つことができない、または異常な性癖がある場合などです。このような場合、たとえ相手が離婚したくないと言っても、無理やり離婚できる可能性があります。
はじめに

夫婦関係を解消したいと考える時、まず理解しておくべき大切な点が『婚姻を継続し難い重大な事由』です。これは、法律で定められた五つの離婚事由の一つで、夫婦の仲が修復できないほど壊れてしまった状態を指します。他の四つの事由とは違い、たとえ相手が離婚を承諾しなくても、裁判所が認めれば離婚が成立するという重要な特徴があります。つまり、相手が離婚に同意しない場合でも、自分から離婚を求めるための大切な法的根拠となるのです。
この『婚姻を継続し難い重大な事由』が認められるには、二つの条件を満たす必要があります。一つ目は、夫婦両方が共に生活を続ける意思がないという、当事者たちの気持ちに関する条件です。これは、夫婦間の会話や行動から判断されます。例えば、互いに無視し続けている、別居が長期間に渡っている、家庭内での暴言や暴力といった行為が続いているなどが挙げられます。
二つ目は、客観的に見て関係修復の可能性がないという、周りの人から見ても明らかな条件です。これは、当事者たちの気持ちだけでなく、夫婦を取り巻く状況全体から判断されます。例えば、すでに新しい相手との生活が始まっている、相手が借金などで家庭に大きな損害を与えた、相手の不貞行為が原因で家庭が崩壊したなどが考えられます。
この二つの条件が揃うことで初めて、『婚姻を継続し難い重大な事由』が認められ、離婚が成立する可能性が出てきます。しかし、これらはあくまでも可能性であり、裁判所が必ずしも認めてくれるとは限りません。個々のケースによって状況は様々ですので、専門家に相談しながら慎重に進めていくことが重要です。自分だけで判断せず、弁護士などの専門家に相談することで、より確実な情報を得て、今後の見通しを立てることができます。

様々なケース

夫婦関係が壊れてしまい、これ以上一緒に生活していくことが難しいと判断されるには、様々な事情が考えられます。法律ではこれを「婚姻を継続し難い重大な事由」と呼んでおり、どのような場合に当てはまるのか、いくつか例を挙げて説明します。
まず、性格の不一致が挙げられます。単に気が合わないというだけでなく、その不一致が原因で口論が絶えなかったり、長期間にわたって別々に暮らしているような場合は、この理由に当てはまる可能性があります。
次に、暴力や嫌がらせの問題です。身体的な暴力はもちろん、精神的な苦痛を与えるような言動も含まれます。暴言や脅迫、無視などによって、心身に傷を負っている場合は、重大な事由と判断されるでしょう。
また、宗教や仕事、金銭に関する問題も、夫婦関係に大きな影響を与えます。一方的に宗教活動にのめり込み、家庭を顧みない、仕事に就こうとせず、家計を支える気がない、借金やギャンブルなどで多額の損失を出しているといった場合も、婚姻を継続し難い重大な事由と認められる可能性があります。
さらに、お酒への依存や、夫婦生活における問題も、重要な要素となります。お酒を飲み過ぎて、日常生活に支障をきたしている、あるいは、夫婦生活を拒否し続けたり、性的な嗜好に異常があるといった場合も、関係の破綻につながる可能性があります。
配偶者の不貞行為も、もちろん重大な事由となります。不倫や浮気によって、夫婦間の信頼関係が完全に崩れてしまうことは少なくありません。
犯罪行為も同様です。重大な犯罪を犯した場合、夫婦関係を維持することは非常に困難になります。
ただし、これらの問題は、夫婦関係の破綻に直接結びついているかどうかが重要です。単に問題があるだけでは不十分で、その問題が原因で夫婦関係が修復不可能なほどに壊れてしまったということを、きちんと説明する必要があります。
| 婚姻を継続し難い重大な事由 | 具体例 | 
|---|---|
| 性格の不一致 | 単なる不一致ではなく、口論が絶えない、長期間別居しているなど | 
| 暴力や嫌がらせ | 身体的暴力、精神的苦痛を与える言動(暴言、脅迫、無視など) | 
| 宗教・仕事・金銭問題 | 一方的な宗教活動、無職で家計を支えない、借金やギャンブルでの損失 | 
| 飲酒・夫婦生活の問題 | 過度の飲酒、夫婦生活の拒否、性的な嗜好の異常 | 
| 配偶者の不貞行為 | 不倫や浮気 | 
| 犯罪行為 | 重大な犯罪 | 
| その他 | 上記の問題が夫婦関係の破綻に直接結びついていることを示す必要がある | 
立証責任の重要性

夫婦という関係を解消するための裁判、いわゆる離婚訴訟では、結婚生活を続けることが難しい重大な理由があることを主張する側に、その理由が本当に存在するという事実を証明する責任があります。これを立証責任といいます。裁判をする人は、提出された証拠だけを見て判断を下します。ですから、自分の主張が正しいことを客観的に示す証拠を準備することが非常に重要です。
では、どのような証拠が有効なのでしょうか。まず、夫婦が別々に暮らしている期間の長さと、なぜ別々に暮らすようになったのかを示す資料が挙げられます。例えば、別居の開始時期が分かる日記や手紙、別居に至った原因を説明するメールのやり取りなどが考えられます。
次に、相手から暴力や嫌がらせを受けた事実を証明する証拠も重要です。病院で受けた診断書や怪我の写真、暴言を録音した音声データなどが有効です。また、経済的な状況を示す証拠として、収入を証明する書類や預金通帳の記録なども提出できます。
さらに、関係の修復を試みたにもかかわらずうまくいかなかったという事実を示す証拠も有効です。例えば、話し合いの記録やカウンセリングを受けた記録などが考えられます。
証拠は書類だけではありません。周りの人に裁判所で証言してもらうことも有効な手段です。証言によって、主張内容の信憑性を高めることができます。
提出された証拠が不十分だと、離婚が認められない可能性があります。そのため、どのような証拠が必要なのか、どのように証拠を集めれば良いのかを慎重に検討し、綿密な準備をすることが不可欠です。離婚を考えている人は、弁護士などの専門家に相談することをお勧めします。
| 証拠の種類 | 具体的な例 | 
|---|---|
| 別居の事実と理由 | 別居開始時期がわかる日記、手紙、別居に至った原因を説明するメールなど | 
| 暴力や嫌がらせの事実 | 診断書、怪我の写真、暴言の録音データなど | 
| 経済状況 | 収入を証明する書類、預金通帳の記録など | 
| 関係修復の試みと失敗 | 話し合いの記録、カウンセリングの記録など | 
| 証人による証言 | 証人の証言 | 
調停と審判

夫婦の別れに関わる訴訟は、まず家庭裁判所における話し合いの手続きから始まります。この手続きは調停と呼ばれ、裁判官もしくは調停委員が仲介役となり、夫婦双方の歩み寄りを促すことを目的としています。話し合いの場である調停では、離婚の条件だけでなく、親権や養育費、財産分与、慰謝料など、様々な問題について話し合われます。
調停において夫婦間で合意が成立した場合、その合意内容は調停調書という正式な文書に記録されます。この調停調書は、判決と同じ効力を持つため、合意内容に違反した場合、強制執行の手続きを取られる可能性があります。つまり、調停での合意は法的拘束力を持つ重要なものです。
しかし、調停という話し合いの場で、必ずしも全ての夫婦が合意に至るとは限りません。意見の食い違いが大きく、どうしても折り合いがつかない場合もあります。調停で合意が成立しなかった場合、手続きは自動的に審判に移行します。
審判とは、裁判所が夫婦間の争いを判断し、解決を図る手続きです。審判では、裁判官が提出された証拠に基づいて、「結婚生活を続けることが難しい重大な理由」があるかどうかを判断します。そして、その判断に基づいて、離婚を認めるかどうかの決定を下します。具体的には、不貞行為や暴力、悪意の遺棄といった行為が、「結婚生活を続けることが難しい重大な理由」として認められる可能性があります。審判は、調停とは異なり、裁判所の判断が一方的に下されるため、当事者の一方、あるいは双方が納得いかない結果となる可能性も含まれています。
もし審判結果に不服がある場合は、より上位の裁判所である高等裁判所に控訴することができます。控訴することで、審判内容の見直しを求めることが可能です。このように、離婚訴訟は、調停、審判、控訴という段階を経て進められ、最終的な解決を目指します。

弁護士への相談

夫婦として共に暮らしていくことが難しいほどの大切な理由があって離婚を考える時は、法律の専門家である弁護士に相談するのが良いでしょう。なぜなら、離婚には法律が複雑に絡み合い、自分だけで解決しようとするのは大変難しいからです。
弁護士は、一人一人の状況に合った適切な助言や、法律に基づいた支えとなる活動をしてくれます。特に、相手が離婚を望まない場合や、離婚の理由となる証拠を集めるのが大変な場合には、弁護士の専門的な知識と経験が欠かせません。自分だけで悩まず、弁護士に相談することで、離婚の手続きが円滑に進み、自分にとってより良い結果につながることが期待できます。
例えば、相手が暴力を振るったり、他の異性と親密な関係になったりした場合、それは法律で定められた「婚姻を継続し難い重大な事由」にあたります。しかし、これらの事実を証明するための証拠を集めるのは容易ではありません。弁護士は、証拠集めの方法や、裁判でどのように主張していくかなど、戦略的なアドバイスを提供してくれます。また、相手が離婚に同意しない場合、裁判で争う必要が出てきます。このような場合、弁護士は代理人として裁判に出席し、依頼人の代わりに主張や立証活動を行ってくれます。
さらに、離婚が成立した後、財産をどのように分けるか、子供がいる場合には親権をどちらが持つのかといった問題も出てきます。これらの問題についても、弁護士に相談することで、法律に基づいた公正な解決策を見つけることができます。弁護士は、依頼人の利益を守るために最善を尽くし、安心して離婚問題に臨めるよう支えてくれます。ですから、一人で悩まず、まずは弁護士に相談してみましょう。きっと、解決の糸口が見えてくるはずです。

