法律 日常家事債務:夫婦の責任範囲
夫婦が共に暮らす上でどうしてもかかるお金、それが日常家事債務です。これは、日々の生活を維持するために必要な費用全般を指し、食費や住居費といった基本的なものから、医療費、子供の教育費、さらには人付き合いにかかる費用まで、多岐にわたります。では、具体的にどのような費用が含まれるのでしょうか。まず、誰もが毎日食べる食費。これは、自炊の場合の食材費だけでなく、外食費も含みます。次に、雨露をしのぐ住居費。持ち家の場合は住宅ローンや固定資産税、賃貸の場合は家賃などが該当します。そして、電気、ガス、水道といった光熱費も欠かせません。さらに、病気や怪我をした際の医療費、子供の教育費(幼稚園や学校の費用、習い事の費用など)も含まれます。また、冠婚葬祭や知人との付き合いに必要な交際費も日常家事債務の一部です。しかし、これらの費用の金額は、夫婦の収入や社会的な立場、生活のレベルによって大きく変わります。例えば、収入が多い夫婦であれば、高級なお店で食事をしたり、海外旅行に行ったりすることも珍しくないでしょう。このような場合、これらの費用も日常家事債務に含まれると考えられます。一方、収入が少ない夫婦にとっては、食費や住居費といった基本的な生活費でさえ負担が大きい場合もあります。そのため、日常家事債務をいくらと一律に決めることはできません。それぞれの夫婦の置かれた状況を考慮して、柔軟に判断する必要があるのです。重要なのは、夫婦が協力して家計を管理し、無理のない範囲で生活していくことです。
